Thursday, January 19, 2006

三村さんの博士号授与式  式辞

言うまでもないことですが、学問研究の世界には終点はありません。しかし、幾つかの「区切り」があることは事実であり、博士号の修得はその最も大きな「区切り」であることは明らかです。同時にそれは学校から課せられる(他律的な)「区切り」として、最後のものであり、今後は自ら課する「区切り」しかない世界へと三村さんは入っていくことになります。
研究者として独り立ちするということは、正に外から課せられる「区切り」がなくなり、自らの研究戦略のみを頼りに研究を進めることを覚悟することに他なりません。指導の役割を担った教官が長い時間と苦労をかけて博士号を修得した学生を見る心境は、さながら子供が独り立ちしていくのを見る親の気分に似ているかもしれません。

それでは、受けた指導を裏切ることなく、博士号という、いわば研究者としての独立宣言を手に入れたことを機に新たな活動に向け、若いエネルギ-を爆発させていただきたいと思います。

これからのご活躍を心から祈りつつ、私からの式辞とさせていただきます。

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