Wednesday, June 01, 2016

Method 87-88

エルンスト・カッシーラー(Ernst Cassirer、1874年7月28日 - 1945年4月13日)は、ユダヤ系のドイツの哲学者、思想史家。新カント派に属し、“知識の現象学”を基礎にしながら、シンボル=象徴体系としての文化に関する壮大な哲学を展開した。
Philosophie der symbolischen Formen(1923-1929) ##
『シンボル形式の哲学』 生松敬三・木田元訳、岩波文庫(全4巻)
業績[編集]
マールブルク学派時代
マールブルク学派時代に執筆された『認識問題』では中世思想から近代思想を認識論の問題を中心に論じ、『実体概念と関数概念』では近代的な科学の認識論的な転回として、実際に見ることの出来る、実体概念から、関数的な記述によってのみ捉えられる、関数概念への移行を分析した。これらの哲学史・思想史的な著作によって、マールブルク学派とは一線を画すようになる。
シンボル形式の理論
イギリス滞在期に、ロンドン・ヴァールブルク研究所のザクスルらと交流し、シンボル研究をはじめ、研究の集大成『シンボル形式の哲学』(全四巻)を著した。また一般的な概観書で著した『人間』において、人文、社会科学を横断して独自の哲学的人間学を構築した。
カッシーラーは“シンボリック・アニマル(象徴を操る動物)”として人間をとらえ、動物が本能や直接的な感覚認識や知覚によって世界を受け取るのに対して人間は意味を持つシンボル体系を作り、世界に関わっていく。シンボル体系は、リアリティ(実在性)の知覚を構造づけまた形を与え、またそれゆえに、例えば世界に実在しないユートピアを構想することもできるし、共有された文化形式を変えて行くことができる、とみなした。こうした理論基盤には、カント哲学の超越論的観念論がある。カントは現実の世界(actual world)を人間は完全に認識することはできないが、人間が世界や現実を認識するその仕方(形式)を変えることはできるとした。カッシーラーは人間の世界を、思考のシンボル形式によって構築されていると考えた。ここでいう思考には、言語、学問、科学、芸術における思考のみならず、一般の社会におけるコミュニケーションや個人的な考えや発見、表現などを含めた意味あいがある。

影響
カッシーラーの思想は新カント派の射程に収まらないものを持ち、ドイツの哲学者ブルーメンベルクにも影響を与えている。またカッシーラーのシンボル哲学は、アメリカでスザンヌ・ランガーやネルソン・グッドマンによって発展され、文化人類学者のクリフォード・ギアツ、ケネス・バークなどにも影響を与えた。『実体概念と関数概念』における関数=機能概念の分析は社会学において構造機能主義を提唱したタルコット・パーソンズやニクラス・ルーマンらにも影響を与えた。
---------------
ポール・リクール(1913 -2005)は、現代のフランスを代表する哲学者です。現象学・フランス反省哲学に解釈学的哲学を接木し、象徴論・隠喩論・テクスト論・物語論といった言語的問題から、浩瀚な「自己論」へと哲学を展開させ、さらに、歴史論・正義論・社会思想・記憶論などへとさらなる思想発展を見せました。2005年5月死去。
Finitude et culpabilité 1: L'Homme faillible [Philosophie de la volonté II], Aubier, 1960.
《有限性と有罪性・ この過ちやすい者》
『意志の哲学』第2部第1巻。通称「リクールの小エチカ」。邦訳『人間この過ちやすきもの』
 Finitude et culpabilité 2: La symbolique du mal [Philosophie de la volonté II], Aubier, 1960.
《有限性と有罪性・悪のシンボリズム》
『意志の哲学』第2部第2巻。解釈学の実験的な始まり。なお、全3部の予定だった意志の哲学は、ここで中断される。邦訳は分冊されており、『悪のシンボリズム』『悪の神話』。原著はL'Homme faillible と合冊され、Aubier社版が1巻本で購入可能なほか、2009年現在、出版社を変えてSeuil社からも合本版がPocheで再販
ポール・リクール、一戸とおる・佐々木陽太郎・竹沢尚一郎訳、『悪の神話』、溪声社、1980
原著は Paul Ricœur, ‘Les 《mythes》 du commencement et de la fin’, Finitude et culpabilité 2: La symbolique du mal [Philosophie de la volonté II], 1960
『悪のシンボリズム』(植島啓司, 佐々木陽太郎 訳、溪声社、1977、未見)の続篇。
神話の象徴的機能/創造ドラマと〈儀礼〉の世界観/邪悪な神と〈悲劇的〉実存観/アダム神話と〈終末論的〉な歴史観/追放された魂の神話 知識による救済/神話のサイクル/象徴は思考をひき起こすなど、360ページ。

No comments: