Sunday, December 20, 2009

”「サンタはいる」答えた新聞

”「サンタはいる」答えた新聞”とタイトルの新聞記事が目に付きました。朝日新聞の”風”欄です。
~19世紀末、ニューヨークに住む8歳の少女が新聞社に手紙を送った。「友だちがサンタクロースなんていないと言います。本当のことを教えてください。サンタはいるんでしょうか」それを受け取った「ニューヨーク・サン」紙の編集局は本物の社説で答えた。
「サンタはいるよ。愛や思いやりの心があるようにちゃんといる」「サンタがいなかったら、子どもらしい心も、詩を読を楽しむ心も、人を好きになる心もなくなってしまう」「真実は子どもにも大人の目にも見えないものなんだよ」と。・・・・
少女の名前は、バージニア・オハンロン。手紙を書いた少女は教育に携わり、亡くなるまで恵まれない子どもたちの救済に尽くしたということです。彼女の名前を冠した奨学金制度が今月、ニューヨークでできた。貧しい家庭の優秀な子に授業料を支援する。お世話になっている子達の心には「目には見えずとも大切なもの」が生き続けていると校長は言う。「デパートであ会ったサンタのひげをひっぱったら、取れちゃった。でも、サンタはいないとは思わない。クリスマスになると、わくわくするのはサンタのおかげ。見えなくても、わたしの胸の中ちゃんといる」。作文の授業で、10歳の少女はこうつづった。米ジャーナリズム史上最も有名な社説と呼ばれる、バージニアへの返信を掲載したサン紙は半世紀前に消えた。同じ名前と精神を看板に設立された新聞社も、経済危機のあおりで昨年解散した。少女の心の扉を開き、百年の時を越えて人々の想像力のともしびを燃やし続ける一編の記事を生み出す力が今、私たちの新聞にあるだろうか。サンタはいる。そう書ける新聞でありたい、と思う。

(朝日新聞(朝刊)2009年12月19日)と。

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