Wednesday, May 27, 2009

Pascal e il naso di Cleopatra

PENSÉES  by Blaise Pascal
1660 translated by W. F. Trotter

162. He who will know fully the vanity of man has only to consider the causes and effects of love. The cause is a je ne sais quoi (Corneille), and the effects are dreadful. This je ne sais quoi, so small an object that we cannot recognise it, agitates a whole country, princes, armies, the entire world.

Cleopatra's nose: had it been shorter, the whole aspect of the world would have been altered.
163. Vanity.--The cause and the effects of love: Cleopatra.


「クレオパトラの鼻。もしもそれがもっと低かったら、大地の全表面が変わっていただろう。」(パスカル『パンセ』)

Le nez de Cléopâtre : s'il eût été plus court, toute la face de la terre auraitchangée

「面」と訳した言葉はface。「顔」という意味もありますから、クレオパトラの鼻に、地球の顔をひっかけたのでしょう。

「クレオパトラの鼻がもし低かったら、世界の歴史は変わっていただろう」
フランスの哲学者ブレーズ・パスカルによれば、クレオパトラ7世がその美貌と色香でカエサルやアントニウスを翻弄したとして、「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら(※正確には、短かったら 鼻参照)歴史が変わっていた」と評した。「人間とは、またその存在が紡ぎ出す歴史とは、何か少しを変えてしまうだけで何もかもが変わってしまう。それほど、それらは絶対的指針を持たぬ流動的で儚いものなのだ」という思想を体現する形で、『クレオパトラの鼻の例え』が用いられた。)

ローマの有力者を次々と色気で籠絡(ろうらく)するクレオパトラ……中国の楊貴妃(ようきひ、719年)と並べ称せられる傾国の美女の典型とされ、大哲学者パスカルを、
 クレオパトラの鼻がもっと低かったら、この全地上は異なっていただろう。 と言わしめるほどの絶世の美女。

現代でも世界三大美女の一人とされている。(クレオパトラと楊貴妃に、ヘレネ(日本では小野小町)が加わる)。実際は太っていた説もある。

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