Tuesday, July 10, 2012

聖霊降臨の問い合わせについて

「典礼暦」(新カトリック大辞典)

「(…)この週の周期とともにユダヤ教の二大祝日(過越際と五旬際)を受け継ぎ、それらにキリストの復活を中心とする祭典を導入することで、キリスト教独自の暦が発展していった。典礼暦の頂点である復活祭の日付けは、(…)第1ニカヤ公会議(325)によって春分の日の後の満月の次の日曜日に祝うことが正式に承認された。そして、過越際から50日目に祝われていた五旬際を聖霊降臨際として祝い、この50日間をキリストの復活を盛大に祝う季節(復活節)とした。また、4世紀からは復活祭の準備期間として設けられた四旬節が信者の回心と洗礼の志願者のための準備期間として各地で祝われることとなった。
 典礼暦におけるもう一つの柱となる主の降誕と公現も4世紀にキリスト者の暦に導入された。(…)また、キリストの生涯の他の出来事を記念する祝祭日が幾つか導入され、こうして、キリストの秘儀と顕現の秘儀を中心とする典礼暦の枠組みが成立することとなった。
 キリストの生涯の出来事の記念とともに祝われたのが、マリアに関する祝日と、使徒や殉教者などの聖人に関する祝日である。これらは、2-3世紀頃からそれぞれの聖人にゆかりの地を中心に発展し、1年の特定の日に記念することが『聖人暦』として定着した。5-6世紀以降キリストの生涯を中心とした典礼暦の枠組みに大きな変更はみられないが、聖人の記念は民間信心とも結びついて、特定の地方に根付いた信仰形態ともなり、その数も増え、典礼暦のなかに占める割合も大きくなった。そのため、キリストの生涯を1年の周期として記念するという典礼暦本来の姿を覆い隠す傾向が強くなった。」

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