Tuesday, December 25, 2012

キリシタン語


ロザリオ=コンタツ

日本のカトリック信徒の間ではキリシタン時代以来「コンタツ」(ポルトガル語の「数える」に由来する)と いう呼び方が広く使われているそうで、カトリックであった南洋一郎も訳題は「血ぞめのロザリオ」としながら本文中では「コンタツ」と表記している。

Gentiles=ゼンチョウ

大浦から西へ向かうと野母(のも)半島の付け根に、前にも一寸触れたことがある小ヶ倉水源地のある戸町に出る。そこから山の背に分け入ると〈善長谷(ぜんちょうだに)〉という集落がある。本当に山奥の小さな集落である。〈ゼンチョウ〉というのは、ラテン語の〈ゼンティーレ〉から来ていて、キリスト教徒以外の異教徒を指す切支丹用語である。長崎のキリスト教徒の間では、幾分の軽蔑をこめて、ごく最近まで、彼等を〈ゼンチョ〉と呼んでいた。ところが善長谷に住んでいるのは皆カトリックであり、聖堂もちゃんと建っている。禁教令が厳しかった頃、この地に隠れ住んだ切支丹たちが自分たちは切支丹ではないということを強調して、〈善長谷〉と名付けたようだ。

No comments: