Sunday, January 10, 2010

日本のコンプレックス

対談 岡田監督×野田秀樹 通じる思いは

http://www2.asahi.com/worldcup/column/theroad/TKY201001100080.html
朝日新聞 2010年1月10日朝刊、18頁

日本は明治維新の後、条約改正で政治的な意味と経済的な意味ではひとまず不平等を乗り越えたけど、文化的にはいまだに自立していない。相変わらず、まず欧米を見るし、若い人は欧米の文化をまねることから入る。私にもあるけど、コンプレックスのようなものが綿々と続いている。

岡田 文化的に自立できていないというのは、周囲が日本を下に見ているのではなくて、日本人自身の中にある問題のような気がしている。例えば、W杯4強というと、「そんなの無理に決まっている」となる。どうして自分たちで抑えてしまうのか。世界を驚かそうとチャレンジすることで誰にも迷惑をかけないのに、規制しようとする。そういう意味でも結果を出さないといけないと思います。

のだ・ひでき 1955年、長崎県生まれ、演出家、劇作家、俳優。東京教育大付駒場高でサッカー部に入るが、ボールに触れる練習が少なく演劇部に。高校2年時に初めての戯曲を自作自演。東大在学中の76年に劇団夢の遊眠社を結成し、日本の演劇を引っ張る。83年に「野獣降臨」で岸田国士戯曲賞。92年に劇団を解散し、ロンドン留学。93年に演劇企画会社「NODA・MAP」を設立し、「キル」「パンドラの鐘」など話題作を発表。2008年多摩美術大教授。09年東京芸術劇場芸術監督に就任、名誉大英勲章OBE受勲。

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